働き方改革との付き合い方

働き方改革について平成28年9月に最初の会議が行われ、平成29年3月には実行計画が発表されました。
最近ではプレミアムフライデーや勤務間インターバルも働き方改革の一環として記憶に新しいかと思います。
一億総活躍社会という言葉とともにひたすら働き方改革と叫ばれている昨今ですが、具体的にどのようなことを目標としているのでしょうか。
大まかにいえば長時間労働を減らし、人口減少に伴う働き手の不足を解消し、生産性の向上と優秀な人材の確保をしようというものです。ワーク・ライフバランスの改善もよく目にしますね。
しかし実行計画にしろ、プレミアムフライデーにしろ、調べていけばいくほど「残業時間を減らす」「就業時間を減らす」といった時間に関係したことばかりに焦点が当たっているようで(わかりやすいということもあるかもしれませんが)、いきなり各種時間を減らせと言われても手が出せないものだと思われます。

なので、いきなり就業時間を減らすのではなく、できるところから手を付けて結果的に時間短縮が行えるようにしてみましょう。

長時間労働について
まずは長時間労働について考えてみます。
勤怠管理はどのように行っているでしょうかICカードを利用した勤怠管理によって就労時間をより把握しやすくなります。最近のシステムでは残業が多い従業員に警告表示が出るようなものもあるため、声掛けをしやすくなります。時間内に終わらせる意識を持たせるだけでも、残業時間短縮につながるでしょう。各締め日においてもいちいちタイムカードとにらめっこをする必要性もありません。
また秋の安衛法施行規則に「客観的で適切な方法で行わなければならない」など、ICカードの利用を想定した文言が盛り込まれる予定もあります。これを機にIC勤怠の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

働き手の不足
高齢者の再雇用によって解消しようとする働きがあります。
高齢者に関しては65歳超雇用推進助成金というものがあり、これは定年引上げと60歳以上で継続雇用されている労働者の人数によって支払われるものです。長らく務めていただいた方のノウハウを利用しない手はありません。労働者側でも「働けるうちはいつまでも」と勤労意欲を持たれている方が8割と多く(平成29年版高齢社会白書)、ねらい目です。
また、外国人労働者の雇用による人手不足の解消も行おうとするが、こちらは後述する人材の確保と合わせて考えるとよいでしょう。

生産性向上と優秀な人材の確保
キャリアコンサルティングやキャリアアップを取り込むことによって、雇用後に育てるという手段があります。現在、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金というものがあり、こちらを利用することで費用を抑えながら人材育成を行うことができます。
実際に顧問先様でも外国人労働者を雇用し人員の確保を行いつつ、この助成金を利用して人材育成を行っているところがあります。

なお、先日話題にも触れた「賃金テーブル規定」による同一労働同一賃金も働き方改革に関係してくるものです。主に非正規雇用の処遇改善を目指すもので、正規、非正規の賃金格差を減らし、賃金規定の基準を明確することによって労働者の労働意欲を上げ、生産性向上を促そうというものです。

いままでつい2時間、3時間と行ってしまっていた残業をいきなり1時間で終わらせるというのも難しいところがあると思います。最初は時間に追われて思うようにいかないことも多いかもしれませんが、社内の意識改革とともに人材育成等による生産性の向上によって就業時間の短縮を図ってみてはいかがでしょうか。
このようなご相談に乗るのも社労士の業務となっております。
もし改善の予定がありましたら、当オフィスをご利用ください。